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薔薇三昧、の巻 [花三昧]

今日のタイトルは、なんと読みましょうか?


薔薇を「ソウビ」と読んでこんな記事を書いたのは、もう8年も前のことでした。


その御名はいづれも尊き薔薇(そうび)どの(2014-06-09)


ところでバラの花といえば、以前書いたこの記事 (お名前は? ロミオかバラか白加賀か?)のように、シェークスピア「ロミオとジュリエット」の、このセリフを想起させます。

ジュリエット「ああ、ロミオ様、ロミオ様! なぜあなたは、ロミオ様でいらっしゃいますの? お父様と縁を切り、家名をお捨てになって!
もしもそれがお嫌なら、せめてわたくしを愛すると、お誓いになって下さいまし。そうすれば、わたくしもこの場限りでキャピュレットの名を捨ててみせますわ」
ロミオ「 黙って、もっと聞いていようか、それとも声を掛けたものか?」
ジュリエット「わたくしにとって敵なのは、あなたの名前だけ。たとえモンタギュー家の人でいらっしゃらなくても、あなたはあなたのままよ。モンタギュー ――それが、どうしたというの?
手でもなければ、足でもない、腕でもなければ、顔でもない、他のどんな部分でもないわ。ああ、何か他の名前をお付けになって。名前にどんな意味があるというの?
バラという花にどんな名前をつけようとも、その香りに変わりはないはずよ。ロミオ様だって同じこと。ロミオ様という名前でなくなっても、あの神のごときお姿はそのままでいらっしゃるに決まっているわ。ロミオ様、そのお名前をお捨てになって、そして、あなたの血肉でもなんでもない、その名前の代わりに、このわたくしのすべてをお受け取りになって頂きたいの」
新潮文庫 『ロミオとジュリエット』シェークスピア作 中野好夫訳

ところで、昨年の定年退職以降の、生活習慣の変化の一つは、「朝ドラ」を観るようになったことです。「あまちゃん」の頃はまだその習慣はありませんでしたが、「ごちそうさん」を何となく観はじめ、「花子とアン」に続いています。今年は4月から、週三日のアルバイト生活に入っていますが、出勤時間には余裕があって、ほぼ欠かさず観ることが出来ます。朝観られなくても、録画というものもありますし。
その「花子とアン」で、はなが女学校の文化祭に「ロミオトジュリエット」のシナリオ・演出を引き受ける一場面がありました。
その一こま(第26話)。

「ロミオ・モンタギュー、あなたの家と私の家は互いに憎しみ合う宿命 …
その忌まわしいモンタギューの名前をあなたが捨ててくださるなら、私も今すぐキャピレットの名を捨てますわ」
「名前が何だというのであろう ~ ロミオの名前を捨てたところで私は私だ!」
「ええ、バラはたとえほかのどんな名前でも、香りは同じ … 名前が何だというのでしょう?」

というシェークスピアのセリフが、はなには納得できず、

「もしバラがアザミとかキャベツなんて名前だったら、あんな素敵に感じられるかしら?私のお父が吉平ではなく権兵衛って名前だったら、お母は好きになってるかしら?」

と、思案します、とはいえ、にわかに書き直すいとまもなく、時間をせかされて、稽古を続けていたところ、
ロミオ役の醍醐亜矢子の、
「名前が何だというのであろう ~ ロミオの名前を捨てたところで私は私だ!」
のセリフを受けて、
ジュリエット役の葉山蓮子(白蓮さん)が、即興でセリフをこう改変したのでした。

「ロミオ様、それはどうでしょうか …
もし、バラがアザミやキャベツという名前だったら、同じように香らないのではありませんか?
やはり名前は大事なものです」

ネット情報によると、このセリフは、本家本元モンゴメリの「赤毛のアン」のエピソードらしい。「赤毛のアン」のシリーズはもちろん、大昔、好んで読みましたが、ディテールは忘れておりました。

「そうかしら」アンは思いに耽った顔をした。「薔薇はたとえどんな名前で呼ばれても甘く香るって本で読んだけれど、絶対にそんなことはないと思うわ。薔薇が薊(あざみ)とか座禅草(スカンク・キャベツ)とかいう名前だったら、あんないい香りはしないはずよ」(第五章「アンの生いたち )

名前は大事というのは、「アン」自身もこだわったことのようでした。
ところで、このバラの名前ですが、半田山植物園には品種名の表示がされていて、いずれ劣らぬ尊いお名前。一応はメモって帰ったのですが、画像と対照する手間に耐えられず、赤いバラ、黄色いバラ、ピンクのバラ、白いバラと呼ばせてもらいます。あしからず。


思い起こせば放縦といふべかんなる薔薇雫(2016-06-13)の記事にも書いたように、花子の「腹心の友」葉山蓮子を演じていたのは、現在進行中の朝ドラ「ちむどんどん」で、決して運命に屈しない健気な沖縄の母親役を好演している仲間由紀恵さんでしたね。


以前、NHKの朝ドラで「花子とアン」を放送していたころ、こんな記事を書きました。仲間由紀恵さんが魅力的に演じた 「蓮様(れんさま)」のエピソードです。
白蓮あれこれ 思いつくまま

「蓮様(れんさま)」こと葉山蓮子のモデルは、大正三美人のひとりと評された、柳原白蓮(1885~1967)です。
ちなみに大正三美人とは、この柳原白蓮と、教育者・歌人、社会運動活動家としても知られた九条武子(旧姓大谷武子)と、新橋の芸者で、法律学者・江木衷と結婚して社交界で名をはせた江木欣々(えぎきんきん)の3人だといいます。2人目の九条武子は、京都西本願寺・大谷光尊の二女として生まれ、男爵・九条良致と結婚。才色兼備の歌人として知られました。佐佐木信綱の門下生で、当時の「麗人」という言葉はこの人のために使われたといわれます。


話が脱線しすぎました。薔薇は「ソウビ」とも読みますが、やはり、バラと読んで起きましょう。したがって、今日のタイトルは「バラザンマイ」です。




実は昨日(5月28日)、私が属する年金者組合地元支部の行事で,「RSKバラ園」を訪問し満喫しましたので、かの地の薔薇三昧をご紹介したいと思うのです。


このRSKバラ園については、実は大賀ハスについて紹介したこんな記事で話題にしたことがありました。


大賀ハス開花記念日!(2014-07-18)


実は、この庭瀬城跡と遠からぬ場所に、「RSKバラ園」という施設があり、そこの大賀ハスもよく知られています。私は未見でしたので、ついでに足を伸ばしてみました、
「RSK」というのは、地元の方はご存じですが地元放送局の「山陽放送」の略称です。なにかモダンな響きのある「アール、エス、ケイ」とは、どのようなハイカラな言葉の略語かと思いきや、旧社名「ラジオ山陽株式会社」の頭文字ですって。
「RSKバラ園」は、山陽放送がラジオ送信所の用地を利用し、地域の人々の憩いの場として昭和49年に開園。バラは中央のRSKラジオ放送アンテナ(高さ105m)を中心にした約3万平方メートルの同心円型花壇に、およそ250品種を植栽。バラ園の外周には、梅園・サクラ並木・ボタン園・ハナショウブ園・ロックガーデン(山野草展示園)も併設しており、チューリップ・フジ・ツツジ・ハナミズキ・アジサイ・大賀ハスなど四季おりおりの花木が植栽してあるそうです。

バラは、真夏の過酷な環境のもと、多少なりとも痛々しい姿を免れませんが、ベストシーズンは、さぞや見事だろうと想像できました。


昨日は、そのベストシーズン(わずかに盛りを過ぎた感もありましたが)を堪能することができたのでした。


R2053621R2053627R2053639


せっかく、「やはり名前は大事なものです」という大事な指摘を強調しましたので、バラの花の写真とともにその品種名を紹介させていただくことにします。


このバラ園に栽培されている品種の、ほんの一部に過ぎませんが、存分にお楽しみください。


まずは、・・・


K1IM5739


ハイネス雅(大輪咲き )
日本:1998年
皇太子殿下・雅子様のご成婚を記念して、岐阜県農業技術センターで育成された品種です。1993年に岐阜県知事により名付けられました。


と解説があります。


K1IM5740K1IM5742


K1IM5744


続いて赤バラ・・・


K1IM5745


熱情(ねつじょう)
(大輪咲き )
日本:1993年
花色は深みのある赤で、赤バラとして花色・花形ともにバランスの取れた強健種です。


とあります。


K1IM5746


次も赤バラ。


K1IM5747


ボブホープ(大輪咲き )
ドイツ:1966年
花径は15㎝の濃い赤色の四季咲きとなっています。強いローズの方向を持っています。取れた強権種です。


K1IM5748


今日はこれで一休み。次回に続きます。


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