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鮟鱇も開いたる口が塞がらず,の巻 [日録]

2月最初の記事です。

冷え込み厳しいながら、立春も過ぎ、少しずつ日が長くなりました。

歯医者通いが続いています。

片道25km程の距離があります。

ずっと以前、勤務していた職場に近いのでお世話になり始めてから、今も変わらずかかっています。

1月にこの記事に書きました。

おなじみ「後書き日記」、の巻(2023-01-10)

ところで、過去にも時々ご紹介している学生時代のサークル仲間の会報に、時折、拙文を載せていただいており、5月発行予定のそれにも、本ブログ記事を下敷きに、一文を寄稿しました。書いた中身が、いくらか情勢がらみの文章で、鮮度が高いうちにご披露したい欲求に駆られ、おなじみフライング投稿させていただきます。会報編集のN先輩、平にご容赦くだされ。

(1)鮟鱇も目に泪


新年早々、気のせいか頭痛を感じるときがありました。熱はありません。理由として思い当たるのは、年末のインフルエンザワクチン接種に続く新年早々のコロナワククチン5回目接種のせいでしょうか?あるいは、相前後しての歯科治療のせいで、全身に無駄な力が入り、肩こりその他、筋肉の痛みが残ったかも知れぬと考えてみたりもしました。
コロナ流行以来、「不要不急」の通院を避けてきた経緯があって、歯科医通いも久しぶりになります。メンテナンスの案内ハガキをいただいておりながら、長くほったらかしにしていました。前回の受診は、拙ブログの記事をもとに思い返せば、2018年の暮れでしたか?さらにさかのぼる2015年春先の受診について、ブログにこんな記事を書いています。

鮟鱇も目には泪か寒戻り(2015-03-23)
2007年の脳動脈瘤の手術、2013年の肺癌の手術、どちらも、オペの前に執刀医が「頑張りましょう」と声を掛けてくださり、オペ中も、麻酔でうつらうつらしている中で、「大丈夫ですか~?頑張って~」とドクターの声が聞こえてきます。
でも、点滴針から伸びる管や、計器につながった配線が身体にまとわりつく姿のままベッドに固定され、半身、または全身の麻酔によって身動きならない状態で、頑張ろうにも、頑張れることはありません。「頑張ってください」は、こちらのセリフで、心身共に消耗する長時間の手術を、頑張って遂行してくださるのは、あなたがた医療スタッフの皆さんでしょ。と反論したくなりましたが、それは遠慮して、「はい」とうなずいたものでした。
それに引き替え、この、歯科の治療は、患者も正味、頑張ることが求められますね。治療中にこんな句が浮びました。
鮟鱇のやうなおおぐちあけてゐる
つるされた鮟鱇のごと為すが儘
鮟鱇も目には泪か寒戻り

この大口を開いている様は、何に似ているだろうか、ワニかカバか、と想像をめぐらすうちに、吊し切りのために吊された鮟鱇の姿が目に浮かんだのでした。もちろん、イメージの背景にはこの句がありました。
鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる 加藤楸邨
帰宅後、ちょいと探してみますと、こんな句もあるそうです。
泪目のまゝ鮟鱇の割かれけり 佐々木 鳴子
鮟鱇のあぎと全開宙にあり 野口 明子
吊されて老鮟鱇の無念かな 有永 実
とめどなき大鮟鱇の涎かな 岡田 耿陽
鮟鱇に似て口ひらく無為の日々 木下 夕爾
それにしても、無理してあんぐり口を開けたせいで、顎が痛いし、肩、首筋、こめかみなど、あちこちが凝って痛い上に、治療した歯の歯茎は腫れ、飲食物がしみます。
削られて歯の痛み増す寒戻り

(2)ハチマルニーマル異聞


しばらく後の記事にこんなことをかいています。
春長けてハチマルニーマルを考える、の巻(2015-03-30)
「8020(ハチマルニーマル)運動」という言葉には、聞き覚えがありましょう。
一九八九年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動だそうです。
愛知県に住む私の親しい友人I君が、以前、電話のよもやま話で、「8020(ハチマルニーマル)」20(ニーマル)は、頑張れば大丈夫そうだが、80(ハチマル)のほうが、怪しいね」と、出色のジョークを飛ばしていました。「座布団一枚」です。このネタ、著作権は彼に属しますが、使わせて貰いますよ。
「80(ハチマル)」の方の保障はおぼつきませんが、「20(ニーマル)」目指して今日も歯医者通いです。このネタは、つい先日も友人に披露したところです。
予約なしの飛び込みでしたので、多少待たされましたが、待合室で米朝会談の模様が中継されていました。額面通りには受け取れない狸と狐の政治ショーだったとしても、あの握手と軍事衝突回避・和平への歩みは、歴史の進むべき道、国際世論の求めるところでしょう。

ちなみに、ここに登場する「愛知県に住む私の親しい友人I君」(中略)は、現役時代はパソコンも使ったそうですが、今は、パソコンもケータイも(もちろんスマホも)使わず、従ってネットにも縁がなく、文章は手書き、コミュニケーションは電話とファックスで済ますという浮世離れの生活をしているらしく、そのため、わがブログも一切読んではくれません。――「浮世離れと」とはいうものの、新聞や雑誌・書籍を通じての情報収集には熱心で、特に新聞の投稿欄や死亡欄には常に目を通し、一種マニア的(偏執的)に、消息に通じているのは、知る人ぞ知るところですが。

(3)鮟鱇も開いたる口が塞がらず


話題を引用記事に戻します。「額面通りには受け取れない狸と狐の政治ショー」であったにせよ、「軍事衝突回避・和平への歩み」の兆しがわずかに垣間見えたかと見えたあの米朝会談からわずか数年で、今日の前世紀的な軍事緊張に世界が席巻されることになろうとは、予測することもできなかった不明・うかつさを恥じるばかりです。
世界の人々の平和への希求を嘲弄して憚らないプーチン・ロシアの暴虐は時代錯誤と言わざるを得ませんが、その手を縛ることができるのは、国連憲章の誠実な遵守を求める国際世論を結集して暴虐を包囲し孤立させて道理に従わせる外交努力以外にはありません。憲法九条を持つ日本政府の役目はその方向にこそ発揮されるべきでしょう。
ところが岸田内閣は、ウクライナ危機に乗じて、また、中国・北朝鮮の拡張主義との緊張状態を強調しながら、歴代政府が表明してきた安保政策の大転換と軍備拡張への道を急いでいます。戦後の歴代政権が一貫して否定してきた敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や、軍事費倍増を明記した「安保3文書」を閣議決定し、湾岸戦争・アフガン戦争で都市を破壊し、多数の人々を殺傷した長距離巡航ミサイル・トマホークを、自衛隊に実戦配備するなどをアメリカに約束。要請があれば日本が攻撃されていないもとでも、敵基地攻撃を実行する準備をすすめています。
国会にもはからず、国民の審判を仰ぐこともなく、独断専行で安保政策の大転換へと突っ走る岸田政権の専横ぶりを見かねて、当然と言えば当然ですが、自民党内の重鎮のなかからも危惧の声が漏れてきているそうです。こんな記事をメモしておきます。
「河野洋平氏、防衛政策転換『安倍政治が問題』外交努力足りないと『報道特集』で指摘」( デイリースポーツ1月7日)
元自民党総裁・河野洋平氏が7日、TBS系「報道特集」に出演し、岸田内閣の防衛政策について批判した。防衛費倍増、反撃能力の保有などについて河野氏は「尊い命を犠牲にして、われわれ今ここに繁栄を得ているのです。『決して忘れません、決してあの過ちは繰り返しません』。何十年もですね、言い続けてその結果がこの政策転換というのはわたしはあり得ないと思っている」とコメントした。
転換の起点については「安倍政治っていうものに非常に大きな問題があったと思う」と安倍晋三元首相が出発点だったと指摘。安倍氏、菅義偉氏とバトンを受け継いだ岸田文雄首相の時には「勢いがついていた」と流れができてしまっていたとした。「少なくとも国会で議論をする。これをテーマに解散して総選挙で国民の意思を問うくらい重要な問題」とした。(中略)
さらに「反撃能力っていうのは武力による威嚇ですよね」と明言。「威嚇を予算化しようとしている。政治や外交の努力を抜きにして、ただ壁だけを建てていく。壁の隙間から向こうへ鉄砲を狙うのは本当の安全だとは思わない」と、・・・持論を展開した。
「聞く力」を標榜するキシダさん。お身内からの忠言に対してすら聞く耳持たぬとは情けない限りです。
「平和を望むなら戦争を準備せよ」というラテン語のことわざを引用し、「平和を望むならば平和を準備した方がいい。・・・準備は容易に本当の戦争の方へ近付いていく。非常に早く」と語った故加藤周一さん(評論家・「九条の会」呼びかけ人の一人)の言葉が、重みを増す今日この頃です。
このまま安直な政治論文で終わっては気が咎めますので、話題を俳句に戻します。
鮟鱇の句にはこんなものもありました。
鮟鱇の大口あいて笑ふ哉 寺田寅彦
作者の寺田寅彦は、言わずと知れた高知出身の物理学者で、漱石の弟子。『吾輩は猫である』に登場する理学士寒村君のモデルです。母校の追手前高校の前に建つ銅像には「「ねえ君、不思議だと思いませんか 寺田寅彦」と刻んであります。
全く不思議です。敵基地攻撃能力で国を守れるなんて、一国の総理たる人が本気で考えているのでしょうか?軍備には軍備、ミサイルにはミサイル、核には核、恫喝には恫喝では、緊張をエスカレートさせるだけ。
鮟鱇だってあきれて笑い出しましょうとも。
最後に駄句。
鮟鱇も開いたる口が塞がらず

開いた口が塞がらないのは、岸田内閣の閣僚・政権中枢のオソマツぶり。辞任・解任・更迭のドミノ倒しで、ちょっと古くなると印象が薄れてしまうほどです。すっかり忘れてしまわないうちに、「日刊スポーツ」web版の記事をメモしておきます。

2023年2月5日11時0分

異次元のピンチに陥った岸田政権 長男、側近…首相秘書官に続く問題、負のループ抜け出せず


岸田文雄首相についている8人の首相秘書官のうち、荒井勝喜氏が、LGBTなど性的少数者への差別発言で「即更迭」となった。時の首相を支える秘書官が更迭という形で職を解かれるは、あまり聞いたことがない。調べてみると、1995年に村山富市内閣で、当時大きな問題となっていた旧大蔵省をめぐるスキャンダルで、過剰接待を受けたとして問題視された秘書官が、事実上の更迭となったことはあった。この時は、政権への打撃を最小限に抑えるためか、定期の人事異動に合わせる形で職を解かれていた。今回の秘書官更迭劇がいかに異例な対応なのかが分かる。
(中略)
昨年の閣僚の更迭劇では、最終判断までの「後手後手」ぶりが批判された岸田首相が、今回はどれだけ深刻に、「まずい案件」と受け止めたかは、このスピード感だけで伝わってくる。首相秘書官は、首相を支える「チーム」の一員。自分にもダイレクトに跳ね返ってくる問題だからだ。
(中略)
岸田政権では、首相が任命した閣僚がすでに4人更迭され、今回秘書官までが更迭されることになった。すべてが自身の足もとでの出来事。今の岸田政権は「負のループ」から抜けきれない状態が続いている。
荒井氏の差別発言は岸田政権が主張している多様性を認め合う社会への理解を根底から覆す内容でもあり、政府、自民党では翔太郎秘書官の問題とは次元の異なる深刻な出来事と受け止めている。秘書官の問題は、首相自身の責任に跳ね返ってくるテーマ。だからこそ、のらりくらり乗り切ってくることができた過去のピンチとは違う、「異次元のピンチ」なのだ。【中山知子】


週末、お泊まりを楽しんだ小1・小2の従姉妹と、小6・中3の兄姉も一緒に、昨日は深山公園に行ってきました。

刻んだ野菜と食パンを用意して、カモたちに与えると、鴨も子どもも大喜びです。

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散歩道を歩いて行きますと、ヤマガラに餌やりをしていたご夫婦が、子どもたちにもヒマワリの種を分けてくださり、餌やり体験に誘ってくださいました。

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四人とも、自分の掌から餌をついばんでいくヤマガラの感触に興奮気味でした。

シロハラもいました。

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それから、、、

木の陰に見え隠れするのは、ルリビタキ♀のようです。

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今日はこれにて。


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コメント 4

tomi_tomi

手乗りヤマガラ、凄く懐いてるのですね! 餌をやってみたいです^^
by tomi_tomi (2023-02-07 01:01) 

kazg

tomi_tomi 様
元々人なつこい鳥なのでしょうが,この公園では,何人もの人がヒマワリの種を与えて手なづける内に、平気で手乗りで食べるようになっています。年々、餌やりをしている人の姿をよくみかけるようになりました。微笑ましいことですが、野生への介入の影響が気になる一面も感じますが・・・
by kazg (2023-02-07 19:26) 

hide-m

さまざまな病気や療養をも俳句とつれずれに余裕の生きざま、尊敬します。そうありたいです。
by hide-m (2023-02-10 11:59) 

kazg

hide-m 様
お返事が遅れ失礼しました。実は一度投稿したはずのコメントが掲載されていませんでした。画像認証の入力ミスでしょうか?
>余裕の生きざま
いやはや、お恥ずかしい限りです。出来得ればそうありたいと願っている次第です。
by kazg (2023-02-12 08:34) 

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